ソフトウェア開発

カメラで現場の課題を解く — 梱包、農業、その他の産業

数万円の産業用カメラと、現場の小型コンピュータで動く認識ソフトがあれば、これまで2人がラインを見張って行っていた作業を置き換えられます。問題は技術が動くかどうかではなく、どの課題にお金をかける価値があるかです。

どんな課題が向いているか

何でもカメラで自動化すべきではありません。適した課題には4つの特徴があり、一つでも欠けていれば再考する価値があります。

  • 1日に何度も繰り返される。 1シフトで3,000個を検査するなら見合います。20個なら人がやるほうが安く済みます。
  • 人は疲れると間違える。 8時間見続けると、シフト終盤で見逃し率が目に見えて上がります。機械は疲れません。
  • 目で判断できる。 熟練者が見て分かることなら、モデルも学習できます。味、匂い、手触りが必要ならカメラでは解決しません。
  • 誤りが測定可能な損失を生む。 誤出荷、返品、契約上の違約金。投資回収を計算するには数字が必要です。

梱包と倉庫

封をする前に中身を照合する

コンベア上部のカメラが、蓋を閉じる前に箱の中身と注文内容を照合します。入れ忘れ、入れ過ぎ、品番違いを、顧客に指摘される前にその場で検出します。

価値の中身は、誤出荷1件の処理費用が商品の価値の数倍になることが多い点にあります。往復の送料、顧客対応の工数、そしてモール上の評価です。

バーコードとラベルを一括で読む

箱を1つずつスキャンする代わりに、1台のカメラがパレット全体の複数のコードを読み取ります。取扱量の多い倉庫では、時間短縮が最も分かりやすく現れる部分です。

梱包品質の確認

潰れた段ボール、ずれたラベル、閉じきっていない蓋、破れたシュリンク。いずれもシフト終盤に人の検査で見逃されやすい不良です。

農業と食品加工

大きさ・色・欠陥による選別

最も成熟した用途です。トマト、マンゴー、ドラゴンフルーツ、コーヒー豆を大きさと熟度で選別します。機械はシフト中ずっと同じ基準で選別しますが、人による選別は時間の経過とともに基準が緩みがちです。

輸出向けの青果では、買い手の規格に対して選別基準が一定であることが、取引価格と返品率に直接影響します。

家畜の計数と監視

囲いの中の頭数を数える、異常な姿勢で横たわっている個体を見つける、群れから離れた個体を知らせる。手作業では負担が大きく、誤りも生じやすい作業です。

葉の病害検出

温室内を移動する機材にカメラを載せ、人の目より早い段階で病害の兆候を捉えます。学習データが青果選別よりはるかに多く必要なため難易度は上がりますが、規模が大きいほど価値が出ます。

その他の産業

産業課題カメラの役割
金属加工表面検査傷、点食、穴あけ漏れを検出
繊維生地検査糸の欠陥、ロット間の色ぶれを発見
建設現場の安全ヘルメット未着用、立入禁止区域への進入を通知
小売棚の管理欠品と陳列位置の誤りを検出
物流構内管理ナンバープレートを読み、入退場を自動記録
医療器具の計数手術の前後で器具の員数を照合

実際にかかる費用の内訳

1ラインに必要な項目は以下のとおりです。見積もりを依頼する前に、何が含まれるかを把握しておいてください。実際の費用は、コンベア速度、判定の難易度、現場の照明条件によって変わります。

項目備考
産業用カメラとレンズコンベア速度と対象物の大きさに合わせて選定
専用照明軽視されがちだが、精度への影響はカメラより大きい
現場設置の処理用コンピュータ工場内で動作し、インターネット接続に依存しない
データ収集とラベル付け自社ラインで撮影した数千枚の画像が必要
モデル開発と調整工数の大半がここに集中する
設置と校正実環境は必ず実験室と異なる

回収が最も速いのは、複数シフトで稼働し、取扱量が多く、見逃しの損失が大きいラインです。最も遅いのは、単一シフトで量が少なく、扱う製品が頻繁に変わるラインです。

本格導入の前に確かめる方法

工場全体への展開契約をいきなり結ばないでください。1ライン・1品種に絞って4〜6週間の試験導入を行います。費用は本格展開のごく一部で済み、最も重要な問いに答えが出ます。自社の実際の照明とライン速度で、どれだけの精度が出るのか。

成否を分ける3つの要素

カメラより照明が重要

この分野に初めて触れる方が最も驚く点です。中級のカメラと適切な専用照明の組み合わせは、時間帯で変化する光の下に置かれた高価なカメラより良い結果を出します。予算が限られているなら、まず照明に使ってください。

学習データは自社のラインから採る

既製の画像で学習したモデルは、自社の製品、自社の照明、自社のカメラ角度では性能が出ません。ここに近道はありません。

機械が間違えたときの扱いを最初に決める

精度が100%になるシステムはありません。開始時に決めておくべき問いは、モデルが判断に迷ったとき、その品物を弾くのか、人の確認に回すのかです。輸出向け食品なら、良品を弾くほうが不良を通すよりましです。高額品なら人の確認に回すほうが理にかないます。この判断は技術部門ではなく、事業側が行うべきものです。

まず何から

現在、人が目視で確認している工程を一つ選んでください。1日に何個通過するかを数え、現在の見逃し率を見積もります。技術の話を始める前に、その二つの数字だけで、その課題が解く価値のあるものかどうか判断できます。

TRIUNITECH
TRIUNITECH エンジニアリングチーム

インフラ構築とソフトウェア開発の実務経験に基づいて執筆しています。スポンサーや製品の宣伝は含みません。

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