ソフトウェア開発

表計算を置き換える業務管理システム

よくある状況に対する参考アーキテクチャです。数十の表計算ファイルが相互参照しながら業務を回しており、すでに限界を超えている。しかし既製パッケージは自社のやり方に合わない、という状況です。

これは参考アーキテクチャであり、導入事例ではありません。このページに顧客名や特定案件の数値は含まれていません。

課題

従業員30〜200名の企業。業務プロセスは年月をかけて形になったもので、自社が得意としている部分です。データは表計算ファイルに散在し、各部門が自分の写しを持ち、月末に手作業で突き合わせています。

症状は共通しています。二人が同じファイルを編集して互いに上書きする、どの写しが最新か誰も確信が持てない、集計レポートに月2日かかる、そして表計算の網の目を理解している人が退職すると会社が深刻な問題を抱える。

設計方針

現行プロセスを電子化する。新しいプロセスを押し付けない

よくある失敗は、ソフトウェアを作りながらプロセス全体を再設計してしまうことです。結果として、社員は新しい仕事のやり方と新しいソフトウェアを同時に覚えることになり、失敗率が上がります。第1段階では現行の運用に忠実に沿ってください。プロセスの最適化は、システムが安定してから行います。

データ種別ごとに正の情報源を一つに

各情報は一度、一か所にだけ入力します。他の場所はそれを複製せず参照します。これは表計算にはできないことであり、本格的なシステムに移行する最も強い理由です。

Excelへの出口は残す

社員はExcelを知っていますし、実際にExcelのほうが適した作業もあります。システムは出力を妨げるのではなく、簡単に書き出せるようにすべきです。これがあると移行が格段に円滑になります。

システムの構成要素

構成要素役割
マスタデータ顧客、商品、社員、仕入先 — 共通の土台
中核となる業務フロー自社固有の部分。開発工数の大半がここに集中
役割別の権限管理誰が何を見て編集できるか。最初から慎重な設計が必要
操作履歴誰がいつ何を変更したか。社内の争点の多くはこれで解決する
レポートと出力月末の手作業の集計を置き換える
Excel取り込み過去データを移行し、取引先のファイルも受け付け続ける

段階的な導入

1段階あたり6〜8週間。各段階の終わりには、デモではなく実際に使えるものが出来上がります。

  1. 第1段階: マスタデータと、最も重要な業務フロー一つ。1部門が実業務で使います。
  2. 第2段階: 残りの業務フロー、権限管理の全体、全社展開。
  3. 第3段階: レポート、残った手作業の自動化、必要に応じて他システムとの連携。

どの段階の後でも中止する権利を発注側が保持します。これは契約に明記すべき事項であり、発注側にとって最良の防御策です。

最も難しいのはコードを書くことではない

過去データの整備です。10年分の表計算からは、三通りの表記で登録された顧客名、あらゆる形式の電話番号、重複したレコードが出てきます。新しいシステムは制約が厳しいため、これらを受け付けません。移行当日ではなく、着手時点でこの作業の時間を確保してください。

ご用意いただきたいもの

  • 実際に使用中の表計算ファイルの写しと、それらの関連の説明
  • 業務を理解していて、プロジェクトに定期的に時間を割ける社内のご担当者
  • 現在毎月手作業で作成しているレポートの一覧
  • どの業務フローを最初に作るか — 最も重要なものの決定
TRIUNITECH
TRIUNITECH エンジニアリングチーム

インフラ構築とソフトウェア開発の実務経験に基づいて執筆しています。スポンサーや製品の宣伝は含みません。

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